作詞者 | 公募: 梶原 壽一(1882.10.19-1945.9.23) | ||||||||
作曲者 | 岡野 貞一(1878.2.16-1941.12.29) | ||||||||
依頼者 | 朝鮮総督府 | ||||||||
依頼年月日 | 大正11年8月8日 | ||||||||
典拠資料 | 『自大正五年五月 至大正十五年五月 作曲依託関係書類』 | ||||||||
楽曲解説 |
大正11(1922)年8月に朝鮮総督府より依頼。依頼状、歌詞、楽譜などが残されている。一般の朝鮮人が内地の実情を理解する目的で作られ、釜山から船で下関へ、さらに山陽道・東海道を進んで東京の皇居にいたるまで、全15節にわたり各地の風物を織り込んである。歌詞は懸賞募集によるもので、原稿には作者が「京都市立商業実習学校教諭梶原壽一」とあるものの、抹消されている。作曲者は当時東京音楽学校助教授。 |
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復元演奏録音日 |
2012年2月23日 東京藝術大学音楽学部千住キャンパス スタジオA |
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復元演奏協力 |
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一. | 朝日さし出る東海の 浪うららかに行く船は 楽しき旅の夢載せて 早くも著けり下の関 | 二. | 門司と向かいて港なす 波止場の栄 後に見て 東へ走る我が汽車の 窓に展くる瀬戸の海 |
三. | 錦帯橋の名に著き 岩国過ぎて厳島 潮に浮かぶ回廊は 龍宮殿をさながらに | 四. | 広島近き呉港に 海を彩る軍艦 岡山過ぎて姫路には 空に聳ゆる白鷺城 |
五. | 緑の松に白き沙 縫い行く所須磨明石 沖にはすべる真帆片帆 呼ばばこたへん淡路島 | 六. | 大船小船集いよる 神戸港に隣して 黄金花咲く大阪の 空は渦巻く黒烟 |
七. | 山紫に水清き 京都は御所を始とし 名所旧蹟数知れず 先ず詣で来ん桃山に | 八. | 奈良は春日社東大寺 旧都の跡の懐かしく 三笠の山に出づる月 仰げば悲し鹿の声 |
九. | 五十鈴の川の源遠く 鎮りいます内外の 伊勢の大宮伏拝み 御国の栄祈るなり | 十. | 熱田神宮いますなる 名古屋は物産豊にて 名高き金のしゃちほこに 城の甍もきらめけり |
十一. | 浜名の橋もいつか越え 天竜大井富士川と 逆巻く波の川々を 渡りて著くや静岡市 | 十二. | 三保の松原右に見て 左手の空にそそり立つ 富士の高根の気高さに 開く手帖は画か歌か |
十三. | 熱海箱根の温泉巡や 江の島行も興深く 鎌倉の古寺とぶらえば 待つに答うる夕嵐 | 十四. | 百貨集る横浜は 出船入船にぎわしく ここ東京は帝都の地 文化の華は盛なり |
十五. | 千代田の城のゆるぎなき 玉の宮居を仰ぎつヽ 盡きぬ名所にあかね日を 數へて惜しき名殘かな |