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學事年報 自明治二十年度 至明治三十七年度

『學事年報 自明治二十年度 至明治三十七年度』

明治20(1887)年度より同37(1904)年度まで、東京音楽学校長から文部大臣宛に提出された毎年の報告の控えを一冊に綴じたものである。当時の年度は10月に始まった。
記載される項目は、規則、概況、設備、職員、生徒、経費、書籍楽器などであるが、年度によっては、演奏会の曲目が詳述され、人事異動が詳細に記されている。

たとえば明治20年度の「職員」の項では、職員は幹事1名、教員5名、会計係1名、庶務係1名、書記兼生徒係1名、外国人教師1名の計10名とわかる。また同じく20年度の蔵書は、和書4382冊、漢書1872冊、英書287冊、獨書97冊、仏書25冊、印度書41冊、楽譜571冊、計7275冊である。

楽器については、西洋楽器では洋琴(ピアノ)、風琴(オルガン)、ダブルベース、バイオリン、セロ、テナ、洋笛、ギターなど、雅楽器では笙、篳篥、笛、琵琶、箏、和琴。清楽器、明楽器、他に二十五絃琴、四絃琴、紙腔琴、俗楽器として琴、胡弓、三絃、尺八、物理器械一組、合計171とある。これを洋楽器、和楽器などに種別すると、洋楽器48、雅楽器16、明清楽器41、俗楽器62、明治17年に考案製作された紙腔琴その他4となる。西洋楽器は全体の三分の一以下であり、少なくとも東京音楽学校創立当初は、所蔵楽器の点数においては、西洋楽器が和楽器および東洋の楽器を上回っていなかったことがわかる。東京音楽学校が「東西二洋ノ音楽ヲ折衷シテ新曲ヲ作ル」を事業の目的に掲げた音楽取調掛を継承して始まったことを裏付ける数字である。

なお、明治22年から(昭和16(1941)年度まで)『東京音楽学校一覧』が毎年度末に印刷物として刊行されたが、『年報』によって22年度以前の概要を知ることができる。また『年報』は『東京音楽学校一覧』よりも詳細で、教員の異動・任免・俸給、演奏曲目の詳細、施設や設備の問題等も記され、東京音楽学校の方針、予算や人員を知る手掛かりとなる。なお、『年報』の存在は昭和12年度まで確認されている。

學事年報資料画像(354データ)

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